木造【標準型】外皮計算の手順方法は?これをやればあとは入力するだけ。等級4への道

外皮計算の準備はできましたか?まだの方は↓から始めましょう。

外皮計算で等級4以上のUA値を目指す♪審査を通過するための事前準備と考え方【木造住宅の場合】

  • 申請書類
  • 設計内容説明書【自己評価書など含む)
  • 図面等

が揃った後、本格的に計算を始めます。

【標準型】外皮計算の手順方法

地域区分に定められた数値に適合したUA値が、等級4の木造住宅にするために必要な外皮計算の手順として、

①各部位のU値を計算する。

②面積を入力する。

以上となります。

各部位のU値を計算する。

各部位のU値については以下の通り

  • 屋根(又は天井)
  • 外壁(基礎の高さが400mm以上ある場合は400mm以上の部分を外壁2として計算)
  • 床(基礎断熱の場合は必要ない)
  • 外気に接する床
  • 基礎

となります。簡略計算法1と2、詳細計算法がありますが、最もポピュラーな簡略計算法2で起算を行います。

簡単♪外皮計算に使われる断熱材の熱伝導率は?記載方法や探し方

【省エネ計算サイトまとめ】外皮計算書ならここは必要なサイト! 

U値計算 屋根

屋根の場合(バルコニーが床面側にある場合は屋根2として別計算。)

熱橋面積比

工法の種類 断熱部分 熱橋部分
たるき間に断熱する場合 0.86 0.14

矩計図に記載されている層構成を記載し、熱伝導率と厚さを入力。

この時、熱橋となる部分は「木材」として、断熱材と同じかそれ以下の厚さを入力。※絶対に断熱材より厚くなってはいけません。

  • 断熱材の列は、熱橋がないため熱橋部分は空白か0を入力。
  • 逆に熱橋部分は断熱材がないため断熱部分は空白か0を入力する。
  • 他の材料(合板など)は断熱部と熱橋部に数値が入っていることを確認する。(なくても良い)

表面熱伝達抵抗は、通気層がある場合、「室内側が0.09 外気側は0.09」となり

通気層がない場合(直接外気)は「室内側が0.09 外気側は0.04」となります。

U値計算 天井

天井の場合は少し変わります。もともと屋根の下にあるので「通気層」はあるものとして計算されます。(バルコニーが天井側にある場合は天井で別計算。)

桁間断熱(天井上部桁などの木下地があって、断続的に断熱材がある場合は「熱橋面積比」を使用。桁と天井の間に空間があり、一面に断熱材を敷き詰める場合は「熱橋面積比」は「1」として計算します(熱橋部がない)

熱橋面積比

工法の種類 断熱部分 熱橋部分
桁・梁間に断熱する場合 0.87 0.13

屋根同様、矩計図に記載されている層構成を記載し、熱伝導率と厚さを入力。

この時、熱橋となる桁・梁部分は「木材」として、断熱材と同じかそれ以下の厚さを入力。

※絶対に断熱材より厚くなってはいけません。

  • 断熱材の列は、熱橋がないため熱橋部分は空白か0を入力。
  • 逆に熱橋部分は断熱材がないため断熱部分は空白か0を入力する。
  • 他の材料(石こうボードなど)は断熱部と熱橋部に数値が入っていることを確認する。(なくても良い)

表面熱伝達抵抗は、「室内側が0.09 外気側は0.09」となります。

U値計算 外壁

外壁の場合は、純粋に「外壁」として計算する場合と、天井断熱で天窓がある場合や小屋裏などがあって「小屋壁」が発生している場合があるので、層構成はなるべく少なめに計算すると手間が減ります。

また「付加断熱」という、断熱材を別の材料で2重に施工している構造もあります。

「付加断熱」は計算が複雑なので、今回は省略して断熱材の構成が1種類の場合を想定します。

基本的な考え方は、屋根・天井と同じです。

熱橋面積比

工法の種類 断熱部分 熱橋部分
(在来工法)柱・間柱に断熱する場合 0.83 0.17
(枠組工法)たて枠に断熱する場合 0.77 0.23

屋根・天井同様、矩計図に記載されている層構成を記載し、熱伝導率と厚さを入力。

この時、熱橋となる柱やたて枠などの軸組部分は「木材」として、断熱材と同じかそれ以下の厚さを入力。

※絶対に断熱材より厚くなってはいけません。

  • 断熱材の列は、熱橋がないため熱橋部分は空白か0を入力。
  • 逆に熱橋部分は断熱材がないため断熱部分は空白か0を入力する。
  • 他の材料(石こうボードなど)は断熱部と熱橋部に数値が入っていることを確認する。(石こうボードが計算に含まれている場合は、横架材まで張り上げる図面とする。できない場合は計算から外す。)

表面熱伝達抵抗は、通気層がある場合、「室内側が0.110 外気側は0.110」となり

通気層がない場合(直接外気)は「室内側が0.110 外気側は0.04」となります。

U値計算 外壁2(基礎の高さがGLから400mm以上の場合)

これが理解できるまでは少し面倒ですが、少し経験すれば簡単です。400mmより上の基礎天端までの部分を計算します。たまに400mmから床断熱の高さまでを計算する人がいますが、それは間違いです。土台などの計算も必要かと思ってしまいそうですが、必要ありません。

床断熱の場合、基礎断熱部分のみで、400mm以上ある場合と

基礎断熱の場合があります。

どちらもこの部位U値計算は同じで、基礎の層構成を計算するだけです。

熱橋面積比は熱橋がないものとして、1で計算します。

あとは同じく層構成を入力して計算。コンクリートのみの場合と断熱材がある場合があるのでそれぞれの厚さと熱伝導率を入力します。

通気層がないので(直接外気)は「室内側が0.110 外気側は0.04」となります。

床下(基礎内部)は「室内側が0.110 外気側は0.110」で計算します。

実際のところ、基礎は数値を広い間違えてもそんなに計算に影響がないのですが(笑)

質疑でいちいち突っ込まれないように、丁寧に拾っていきましょう。

U値計算 床(床断熱の場合)

床の考え方は屋根・天井とあまり変わりません。基本的に床下地材と断熱材を入力するだけです。ただし床組の構造は様々なので、以下の表から該当する熱橋面積比を選択します。

熱橋面積比

工法の種類等 断熱部分 熱橋部分
軸組工法 床梁工法 根太間に断熱する場合 0.80 0.20
束立大引工法 根太間に断熱する場合 0.80 0.20
大引間に断熱する場合 0.85 0.15
剛床工法 0.85 0.15
床梁土台同面工法 根太間に断熱する場合 0.70 0.30
枠組壁工法 根太間に断熱する場合 0.87 0.13

屋根同様、矩計図に記載されている層構成を記載し、熱伝導率と厚さを入力。

この時、熱橋となる根太部分等は「木材」として、断熱材と同じかそれ以下の厚さを入力。

※絶対に断熱材より厚くなってはいけません。

  • 断熱材の列は、熱橋がないため熱橋部分は空白か0を入力。
  • 逆に熱橋部分は断熱材がないため断熱部分は空白か0を入力する。
  • 他の材料(床下地材・床材など)は断熱部と熱橋部に数値が入っていることを確認する。(なくても良い)

表面熱伝達抵抗は、「室内側・外気側とも0.150」となります。

※外気に接する床の場合は「室内側が0.150 外気側は0.040」となります。

仕上が畳の場合は畳のみで計算しましょう。

ユニットバス下部の床を断熱境界とする場合は、メーカーから熱貫流率の資料を取り寄せます。

U値計算 基礎(GLから400mmまでの線熱貫流率)

基礎断熱の線熱貫流率を求めます。

ずばり、1.800で入力すれば大丈夫です(笑)

しかしこれは純粋にコンクリートのみの数値なので、断熱材などがある場合で少しでも有利な数値にしたい場合は、計算を行いましょう。

立上り断熱材、土間底盤の断熱材の寸法と厚さ、熱伝導率を入力します。

どの計算書でもそうですが、基礎の高さは400mm以上あっても400で入力します。

断熱材の施工位置(外部か内部か、底盤施工か)を入力します。

上記を参考に、各断熱材の厚さを入力しましょう。入力した数値や寸法は、矩計図に記載しましょう。

これで部位U値の計算が揃いました。

外皮計算プログラム・省エネ計算代行♪面倒な【住宅性能評価】や【住宅性能証明】・【フラット35】のご相談について

各方位ごとに数値を入力する。

ここまできたらあとは面積と、計算した熱貫流率(U値)、サッシなどの熱貫流率を入力するだけです。

入力するだけなのでもう細かく伝えることはありません。

方角ごとに間違えないように入力していきましょう。

U値と一緒に計算するもの【日射熱取得率(η)】を忘れずに

日射熱取得率の考え方として、「日射が当たるところ」を計算します。

冷房期と暖房期で計算するので、「方位係数」や「補正熱貫流率」が地域・方角ごとに異なるので注意しましょう。

まとめ・自己チェック

「できた~!」と思って書類一式を提出する前に

自己チェックは必要です。

気を抜いていると、後で混乱してしまいそうになるほどの質疑表をもらってしまいます。

そうなる前に、自己チェックは欠かせません。

特別に、私が審査を行っているなかで重要と思われるチェック内容を記載しましたので

参考にお使いください。

断熱等性能等級チェックシート

<設計内容説明書>
適用する基準のチェック
UA値、ηAC値の基準のチェック(4地域以南はηAC値は不要)
<結露防止基準の確認>
繊維系断熱材等の有無は適切か(吹付ウレタンA種3は繊維系断熱材等)
繊維系断熱材等の場合、防湿層の設置(除外規定であれば適切な施工)の確認
基礎断熱部に、吹付硬質ウレタンフォームA種3が使われていないか
A種3は防湿層の施工が現実的ではない
定常計算(内部結露計算)は計算でクリアしているか
・透湿抵抗比
基礎断熱部は不可
透湿抵抗比で付加断熱は不可
・一次元定常計算/内部結露計算
アメダスポイントは適切か
ポイントが無い場合の値は適切か
Rsi、Rseの数値
部材の透湿抵抗比、透湿抵抗は適切か
密閉空気層の熱抵抗値
空気層の透湿抵抗
・通気層
屋根
屋根断熱であれば、通気層、防風層(除外規定であれば適切な施工)の確認
外壁
通気層、防風層(除外規定であれば適切な施工)の確認
ルーフバルコニー
屋根断熱であれば、通気層、防風層(除外規定であれば適切な施工)の確認
天井断熱であれば小屋裏換気、繊維系断熱材等の場合、防湿層設置の有無(除外規定であれば適切な施工)の確認
<図面間の整合チェック> 
方位と角度。東西南北と北東 南東 南西 北西(配置図-平面図-計算書)
地域区分の確認(設計内容説明書-外皮計算-仕様書の整合)
断熱仕様の確認(仕様書-矩計図-基礎伏図-計算書の整合)
断熱材の性能が確認できる資料(JISで読めるものは図面記載で添付不要)
<熱的境界の設定>
熱的境界の設定は適切か
<部位U値のチェック 簡略法①>
・屋根
面積比率は適切か
部材構成、熱伝導率は適切か
表面熱伝達抵抗は適切か(青p74)
木材の厚さは断熱材の厚さまでとなっているか(青p71)
・天井
面積比率(桁間断熱を10:0で計算しない)
部材構成、熱伝導率
表面熱伝達抵抗
・外壁
面積比率
部材構成、熱伝導率
表面熱伝達抵抗
木材の厚さは断熱材の厚さまで
せっこうボードが層構成に含まれている場合は横架材まで貼り上げ
・床(外気床とも)
面積比率
部材構成、熱伝導率
表面熱伝達抵抗
畳床部分等、床仕様を分けて計算している場合は厚さ、物性値(熱伝導率)
ユニットバス下部の床を熱的境界にする場合のU値は適切か
(表面熱伝達抵抗のみで計算している場合はU=3.33)
・400超えの基礎壁
面積比率
部材構成、熱伝導率
表面熱伝達抵抗
室内側表面熱伝達抵抗は0.11
・基礎の線熱貫流率(青p103)
H1,H2・R1~R4の仕様(矩計図・基礎伏図等と計算書の整合性)
W2,W3の折り返し長さは基礎面からになっているか(max900まで計算)
基礎断熱部の基礎と土台の気密処理明示
<部位U値のチェック 簡略法②>
各部位に補正熱貫流率が加算されているか(熱橋部が無い場合加算はしない)
<外皮面積のチェック>
・屋根
屋根面積は勾配係数などで算定
・ルーフバルコニー
面積の拾い漏れ。屋根断熱か天井断熱か。高さが明確か
・天井
勾配天井は実面積か(勾配寸法の考慮)下屋等の存在確認
・外壁
外壁の高さ寸法の考え方は適切か
コの字プランの場合凹部の考慮
(屋根断熱の場合凹部奥行方向の高さが考慮されているか)
屋根断熱の場合、外壁との取り合い部。重複していないか
天井断熱で小屋裏がある場合の、小屋壁を拾って計算
・基礎壁
400超えの基礎壁。深基礎はあるか?
玄関の框がナナメの場合の算定。寸法の表記
・床
床断熱範囲。玄関土間、UB、勝手口の除外
基礎伏図等と計算書で、カマチの芯ずれある場合考慮されているか
・外気床
拾い漏れはないか
・土間床
土間床面積の範囲。勝手口等の拾い漏れ
(基礎伏図等で、カマチの芯ずれある場合考慮されているか)
・基礎周長
基礎周長の算定は適切か。凹み部分の考慮
温度差係数(外気:1.0、その他:0.7)
玄関の框がナナメの場合の長さは図面等と計算書で整合しているか
<開口部のU,ηのチェック>
図面等の窓、ドアの仕様と計算書・添付カタログとの照合
図面等のガラスの仕様(日射遮蔽(遮熱)、日射取得(断熱)の別)と計算書
平面図等と計算書の開口部寸法の照合
内のり⇔外のり(w+40,h+70)に読み替えしてもよい例:07407⇔780*770
車庫上部は外気に接する床、車庫の内壁を熱的境界とするのが適切

外皮計算プログラム・省エネ計算代行♪面倒な【住宅性能評価】や【住宅性能証明】・【フラット35】のご相談について

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